くっついて生える歯「癒合歯」とは?
投稿日:2018年10月20日
カテゴリ:小児歯科
〇癒合歯
2本の歯がくっついている状態を癒合歯(ゆごうし)と言います。
乳歯の前歯によく見られ、場所は下の歯の乳中切歯と乳側切歯、乳側切歯と乳犬歯がくっついていることが多いです。上の歯の場合もあり、上の乳中切歯と乳側切歯がくっついていることもあります。
ママがみて乳歯の生えてくるのが遅いわといった場合も、癒合歯であることがあります。癒合歯は1歳半健診で指摘される場合が多くあります。
*癒合歯の原因
歯は産まれる前に顎の中で発育しており、その歯ができるときに隣り合う歯のもと(歯胚)がくっついて、ひとつの歯として成長したためです。
*あとから生えてくる永久歯への影響
後から生えてくる2本の永久歯のうち、1本が先天的に欠如いていることが多く、その割合は50%弱あると報告されています。
*永久歯への歯並びの影響
乳歯の癒合歯のところに、通常どおり2本の永久歯が2本生える場合、スペースが足りず歯並びに問題を生じることがあります。なぜかというと癒合している乳歯は、2本別々の乳歯より重なっている分だけ細くスペースがもともと不足しがちだからです。
また、もし2本くっついている乳歯の癒合歯のところに、永久歯が1本しか生えず、永久歯1本分の不足があった場合上下の正中(左右のバランス)がずれることにより矯正治療が必要となる場合があります。
いずれにせよ、虫歯にならないように経過をみることになります。下の前歯が生え変わる5~6歳ころか癒合歯でない反対側の乳歯が抜けたころにレントゲン写真を撮って確認することができます。その後、永久歯のスペースや上下のかみ合わせ状態をみて、矯正治療の必要性を考慮することになります。
生活面で気をつける点は、もちろん虫歯予防です。歯と歯がくっついた部分が深い溝になっていることが多く、歯ブラシが届きにくく、汚れも溜まりやすいため虫歯のなりやすいと言えます。
何よりも、虫歯にならないようパパ、ママの就寝前の仕上げ磨きは大切ですね。
そのためには、かかりつけ歯科医院での定期検診チェックとフッ素予防をお勧めします。
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